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写真は、任 炳雄さん

まじめな人たち


by 任 炳雄(韓国)

  私はベルギーの豚肉を売る会社の販売担当をしています。会社はマレーシア始めアジアの国に拠点を置いています。ベルギー人はオランダ人とは違って、「割り勘」はあまりしないと聞きました。そして韓国人と同様割と物事をはっきり言う傾向があると思いました。
会社は、営業実績第一主義で、人間関係を重視する方ではありませんでした。ですから絶えず社員が変わる会社でした。今では日本の支社は撤退してしまいました。

 日本の支社で働いていて感じたのは日本人がとてもまじめだということです。また日本の取引先を開拓するのはとても難しいということでした。例えば、ほかの製造元より安くすると言えば韓国の輸入業者なら大体取引をしてくれます。警戒心もあまりないし、取引の決断も速いです。しかし日本の業者は保守的で、値段が安くても知らない会社とはなかなか取引してくれません。以前の業者との信頼関係を大切にしているのだと思います。食料のことだから、安心できる関係を第一にしているのかもしれません。

 日本でベルギー産の豚肉を売るのは難しくて、もっぱら韓国での取引になっています。というのは日本人は肉の品質と規格に対しても注文が細かくてベルギーの業者はそれに合わせることができないのです。日本ではデンマークの豚肉が優勢です。デンマークは豚の飼育期間や重量を日本の注文に対応しています。日本では外見が重要で、韓国向けよりもまず脂身が少ないこと、同じ大きさに切ってあることが求められます。箱を開けたときにきれいにそろっていなければなりません。こんなところにも国民性が伺われます。
(November 2009)