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ヒューストンで国際交流「同窓会」


by 牧田佳代子(日本)

 私は1977年に市民レベルの国際交流を目的として発足した「かながわ国際財団南サークル」の運営委員をしています。会には様々な国の人が参加していますが、時代の傾向を反映して最近ではアジアの人が多くなっています。

 ホビーグループは現在12あって外国人、日本人が自分の好きな会に属して活動をしています。生け花などの日本文化が学べる会、反対に外国人から英語や中国語を学ぶ会、さらにコーラスや麻雀などを楽しむ会があります。そのほかにサークル全体の活動としてバザーをしたり、ひな祭りや庭園、国会議事堂の見学などいろいろな計画を立て、外国人との交流を深めています。特に日本に対する理解が深まるように日本文化や日本事情を紹介するイベントを多く計画しています。

 日本に住んでいても日本人との付き合いが少ない外国人にとって、私たちが開く会での思い出は大変印象深いようで、帰国後もそのまま交流が続いている人が多いです。

ヒューストンでの同窓会

 今年はアメリカのヒューストンで私たちの会の同窓会とも言える集会が開かれました。私たち日本人13人とヒューストンに住んでいる人やその友人、そのほか全米から集まった総勢40人あまりが集まりました。

 現地で「JAPAN DAY」を行いました。お手前を披露し、持参した着物を着せたりしました。アメリカ人には振り袖のようなあでやかな着物が人気があって、年齢に関係なく振り袖を着て満足していました。七五三の着物もとても評判がよかったです。

 その中の一人がとても喜んで私たちを夕食に招待してくれました。彼女の夫は元大リーガーで大きな屋敷に住んでいました。彼女の家だけでなくその辺りの家はどこも同じように手入れが行き届いた広い芝生の中に建っていて、開放的な感じがしました。

 また他の知り合いの家に行ったところ、驚いたことにそこは実は最近アメリカで増えている外部の人が入り込めない隔離された住居地でした。塀に囲まれていて部外者は入ることができません。植木屋さんなどそこで働いている人たちは中に入る鍵を持っているのだそうです。門を閉めれば安全な別世界があるのです。

 私たちはヒューストンでホームスティさせてもらったのですが、ほとんどが庭に建てられたゲストハウスでした。庭にゲストハウスがあるくらいですから、その広さが想像できるでしょう。元メンバーの一人が横浜にいたときによくしてもらったからと言って、泊まるところから見学する場所、移動の手段など滞在中のすべてを整えてくれたのです。日本からお客が来ると聞いて近所の人たちが貸してくれたものでした。隣近所の人ととても仲良くしているのだなあと思いました。しかしこれは最近のことで、以前は没交渉だったそうです。それがあの壊滅的な威力を持ったハリケーンの襲来時に近所の人と助け合ったことで、親しくなり今日に至っているそうです。その爪痕が今でも残っていました。

 アメリカで感じたことは彼女たちの夫がとても協力的だということでした。運転は勿論寒いだろうとジャンパーを持ってきてくれたり、こまめに何でもやってくれる夫が羨ましかったです。

 無事ヒューストンでの集まりで、私たちの会の活動が国際交流の役に立っていることを強く感じました。
(June 2009)