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韓国で音楽交流


by 塚本泰士(日本)
塚本泰士さん

 私は航空自衛隊の音楽隊に所属しています。一昨年韓国のWANJIで開かれた世界の軍学祭に参加しました。

 実は私たちが韓国へ行く前に韓国の音楽隊が日本へ来ていました。韓国と日本との関係はなかなか難しいことが多く、韓国の音楽隊を迎えたものの友好関係が築けるか心配していました。あちらも同じような気持ちだったのか日本へ来て緊張しているのがわかりました。

 しかし同じ音楽に携わる者同士なのですぐにうち解けて、お互いの理解を深めることができました。あっという間に1週間が過ぎて帰国の日空港まで見送りに行きました。お互いのお別れの演奏が始まってまもなく韓国の音楽隊の演奏が止まりました。みんなが感激して、泣いているのです。それは瞬く間に日本人にも伝わりお互いに泣きながら別れました。階級章をくれた隊員もいました。

 軍学祭参加が決まり、彼らとの再会が楽しみでした。韓国からも歓迎のメールが届いていました。隊員の何人かは韓国語あるいは英語でメールのやりとりを続けていたのです。

 韓国では何と言っても食事がおいしかったこと、韓国人が親切だったこと、軍隊が優遇されていることが印象に残りました。

 韓国料理は辛い物ばかりだと思っていましたが、いろいろバラエティーにとんでいて何を食べても美味しかったです。

 韓国の隊員との交流では韓国語を習っていた隊員が大活躍しました。また韓国人は英語を話せる人が多かったので、片言の英語で話したりしました。ゼスチャーも大いに役立ちました。韓国では目上目下の区別がはっきりしていて、乾杯する時でも、横を向いて目上の人から見られないようにして酒を飲み干すのでびっくりしました。また乾杯のたびに全部飲み干さなければならなかったので、大変でした。私たちは何度も乾杯を繰り返し再会を喜びました。

 音楽隊の実力では日本の方が上だと感じました。というのも韓国は徴兵制なので隊員が絶えず定まらないという実情があります。演奏の仕方など技術的な質問をよく受けました。お互いに教え合っているうちにますます友情が強くなるのを感じました。

 一般的な韓国人に対する考えでは、韓国人のほうが気持ちをはっきり表すと思いました。と言うのも演奏がよかった時の歓声がものすごいのです。また反対につまらない時には拍手もまばらです。日本人のように一応拍手するということがありませんでした。私たちは韓国の歌などをとりそろえて演奏し、とても喜ばれました。

 こうして10日あまりの日程をこなして帰国しました。短時間ではありましたがこのようなことを経験できて本当によかったと思います。この交流を積み重ねることによってお互いを理解することができると思います。今後も続いてほしいと強く願っています。
(July 2008)