日本体験 外国体験 Experiences in different cultures
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あたたかな巡り会いと貴重な経験


by M(学生、日本)

  私は1年半ボストンに留学しました。この留学から様々な経験や人々との出会いをさせて頂きました。

 大学では日本文化を現地の人々に紹介するイベントや、日本語をアメリカ人に教えるクラスも開かれていて、日本文化や日本語を私自身も再確認する機会も多々ありました。といいますのも、日本に興味のあるアメリカ人の方々は、日本人の私以上に日本に関する知識、理解を持っておられました。彼らからの質問にどのように答えたらよいのか、戸惑うことも多くありました。その度に、自分の国についてもっと知らなければと恥ずかしく感じたり、また日本文化のよさを改めて発見したりしました。色々なことを感じながら、現地の方々とお茶、浴衣、折り紙などの日本文化を共に楽しみました。

「ボストン留学」公演 「ボストン留学」公演
【写真はボストンの風景】

 また、授業の一環で高校に行って日本語を勉強している生徒たちと話をしたこともあります。彼らの日本語が上手なのに驚きました。ほとんどの生徒がアニメや漫画が好きで日本語を学んでいる理由の1つになっていました。

 イベントや授業などの一定期間だけでなく、大学から紹介されたホストファミリーの家族との付き合いもありました。ボランティアでホストファミリーになって下さっていたにもかかわらず、私のために時間や場所を割いて彼らの生活の一部を体験させてくれました。彼らと食卓を囲んで和やかに夕食を頂いたこと、今でも忘れがたい思い出です。

 このファミリーからも学んだように、アメリカはボランティアが盛んな国です。私もボランティアに参加しました。そのひとつに公園でバラの剪定のお手伝いがありました。ボランティアに来ていた方々は年齢も様々で、楽しそうに仕事に取り組んでいました。いつも美しい公園ですが、こうしてきれいに保たれていたのかと新たな一面を見ました。

 そんな中、日曜日にダウンタウンにある教会に通い、そこで現地の人々や留学生と知り合いにもなりました。彼らとは教会内で一緒に食事しながら楽しいひとときを過ごすことができました。ボストンには大学があちらこちらにあり、それもハーバードやMITをはじめとする優秀な大学が多く、教会で出会った学生たちの中には、ハーバードのメディカルスクールで研究をしている中国人留学生などもいて、国、専門分野、職業などを越えての交流から沢山の良き刺激を受けました。

 一年半の留学生活の中で、このような人々との交流というのが最も印象深いことでした。大学生活においても、教授や寮で一緒に生活をしてくれ沢山お世話になった「RA」(Residential Assistant) との出会い、関わり合いは非常に大きなものでした。とてもフレンドリーで気さくな教授と一緒に食事をすることもたびたびありました。
  授業中もアメリカ人の先生方は学生をとてもよくほめてくれました。決して「間違っている」などとは言わず、どんな意見にもまずいい点を指摘してから「でも・・」と言うように続けました。親身になって献身的に指導してくださる先生方から沢山励ましを頂きました。そしてRAは些細なことから悩み事の相談に至るまでとてもよくサポートしてくれました。

 ボストンの街でも、乗り物の中で話しかけられたりしました。「どこから来たの」「何をしているの」とちょっとした会話にあたたかみがありました。
  いろいろな人と巡り会い貴重な経験ができた1年半でした。
(May 2008)