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陳俊花さん

美しさの代価


by 陳俊花(日系企業勤務、中国)

 チャイナドレスは中国女性の伝統的な服装です。チャイナドレスを着ると、腰がくびれ、胸とお尻が出て、女性の曲線美が全て現れ、極めてセクシーに見えます。

 それに対して、着物は日本女性の伝統的な服装です。子供の時代に「一休さん」というアニメーションはよく見ましたが、その時日本人の女性が「着物」という服を着ることを初めて知りました。

 日本の神戸に留学した時、公民館で中国語を教えるアルバイトをしました。行事があった時、日本人の学生に家まで誘われて、娘さんの「着物」のような服を着せていただきました。この後、そちらは正式な「着物」ではなくて「浴衣」だと分かりました。

 正式な着物を着たのは卒業式の時でした。学校は外国の女性の学生も着物を着て卒業式に参加できるように着物を借りてくれました。

 卒業式の前の日にどきどきしました。着物を着るのはすごく時間がかかると聞いたので、朝早く起きて学校へ行きました。着替えの教室へ行ったら、着物を着せてくれる先生たちは既に準備をしていました。実際に着始めた時は、好奇心で面白いと思いましたが、複雑な服を着た後、お化粧や髪を整えるので二時間ぐらいもかかりました。女の人は美のために何でも耐えられるなあと思いました。重ねて着るので暑苦しいし、早く歩けなくて不便でした。でも、鏡の中の自分の姿を見たら、びっくりしました。着物を着ると雰囲気がすっかり変わりました。

 一時的には苦しさを忘れて、写真をたくさん撮りました。卒業式の後、食事会もありました。実際は卒業式が終わった時、もう着物の靴(草履)で足が痛くてたまらない状態でした。午後の四時に着物を返さなければならないと聞きましたが、早めに脱ぎたかったです。食事で痛みに耐えて、先生や同級生たちと挨拶しました。ずっと立ちっぱなしでつらかったです。

 やっと着物を返す時間になりました。着物を脱ぎましたら、体が軽くなって、とても気持ちがよいので、妙に幸せな感じもしました。
  美しさには代価が必要だなあと実感しました。

 中国に帰って、神戸のみなさんと連絡を取りたかったのですが、アドレスを無くしてできませんでした。もし、この文章を読んだ方がいたら、次の窓口まで連絡してくださったらうれしいです。アドレスは次の通りです。
  web-info@japanese-nihongo.com
(August 2007)