日本体験 外国体験 Experiences in different cultures
space
| 54 砂川知美 | 戻る back <<

動物の姿で分かるお国柄


by 砂川知美(日本

 私は動物が好きで犬2匹、猫4匹を飼っています。多い時はウサギが12匹もいました。だから海外旅行に出かけた時、景色や建築物を見ながらもつい野良犬など動物の姿に目が向いてしまいます。国によっては、犬や猫をほとんど見かけない国もありました。

 一番びっくりしたのはタイに行ったときです。寺院の周りに犬や猫がいっぱいて、餌があちこちに置いてあるのです。さすがに生き物を大事にする仏教国だと思いました。

 また私たちが泊まったホテルでは、ちょうど母犬が子犬を産んだところでした。人々が行き交うホテルでの出産にも驚きましたが、ホテルの人が「犬が子供を産んだばかりなので気が立っているから、近づかないでください」とお客に注意していました。他の国なら犬はとっくに追い払われていることでしょう。あまり豊かではないと思われる国でしたが、みんなが肩を寄せ合って生きていると羨ましく感じました。

 チェンマイでは象に乗って谷を進みました。象はとても大事にしてもらっているようで、仕事が終わった後、象使いが川で丁寧に体を洗ってやっている光景が目につきました。

 マレーシアでは餌をやろうと野良犬に近づいていったら犬はあわてて逃げていきました。その犬だけが人間を恐れていたのかもしれませんが、何だか可愛そうでした。
 
  エジプトではナイルのクルージングをしたのですが、船の食事は毎回多くの残飯が出ます。スタッフにそれがほしいと言うとたくさんくれましたので、下船のたびにそれを犬にやっていました。エジプトにも野良犬がたくさんいて、中には病気を持っている犬がかなりいました。おできができてそこから膿が出ていたり、かさぶたで醜い犬もいたのですが、そんな犬でも追い払われることもなく人々の間を歩き回ったり寝そべったりしていました。

 モナコではきれいな石畳のあちこちに犬の糞が散らばっていました。大型犬を散歩させている紳士があちこちにいましたが、犬が糞をしてもそのまま素知らぬ顔をして行ってしまうのです。犬の糞の掃除は貧しい人の仕事になっているのかもしれませんが、観光客には興ざめです。

 国によって動物に対する接し方もマナーも本当に違うものだと旅行するたびに思います。(2007年6月22日)