日本体験 外国体験 Experiences in different cultures
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Karen Budeさん

日本人のファッションセンスに学ぶ


by ケレン・ビュダー(Canada)

 私が初めて日本に来てびっくりしたことは、眼が合って私がニッコリしても誰も笑わなかったことです。お店の人が「いらっしゃませ」と言うのにいちいち返事を返して、店員に変な顔をされたこともありました。とても冷たい人たちのように感じたので、これから日本で生活していけるか心配しました。けれども実際には多くの人たちに親切にされて快適な生活をすることができました。

 私は現在カナダのバンクーバーで宝石デザイナーの仕事をしています。以前は事務員でした。日本にいた時は英語の教師で、ファッションに関係がある仕事に就いたことはありませんでした。日本に来て日本人のファッションセンスに感心しました。街はいろいろな格好をした人で溢れていました。原宿や渋谷の街で、驚くほど個性的な服装の若者を見かけました。そして彼らは自分のファッションセンスに自信を持っているように見えました。

 東京の街を歩いていて、シャツ1枚買うにも本当に多くの選択肢があると感じました。いま住んでいるバンクーバーは店の数が限られています。例えばピンクのシャツを買いたいと思っても限られた品物の中から選ばなければなりません。ですから、街で同じデザインのシャツを着ている人と出会っても不思議ではありません。私は東京に来てからよく買い物をしました。こんな物はカナダにはないなあと思うとつい買ってしまうのです。可愛い服や靴がたくさんあって、どれもほしくなってしまいます。山のように買って友達にあきれられてしまいました。

 帰国するころには、自分の気に入ったこれらの品物をカナダで売りたいと考えるようになりました。けれども輸入するには多くの問題がありました。資金がなかったので結局何もできそうにもありません。日本だけでなくアジアの国々を回ったので、各地の品物も目にしました。それらが私に刺激を与えました。そしてファッション関係の仕事をしたいと考えるようになったのです。

 帰国してから、思いかけず宝石デザイナーとして成功しました。新聞や雑誌に紹介されるようになりビジネスとして成り立つようになりました。もちろん夫や家族の助けもありましたが、地域が支えてくれていると思います。バンクーバーでは人々が地元のデザイナーの品を喜んで使っています。私も何かをプレゼントする時にはできるだけ地元の品物を買うようにしています。それが日本と違うところだと私は思います。(談)

・ケレンさんの宝石店sugarlimeのwebサイト:http://www.sugarlime.com/