日本体験 外国体験 Experiences in different cultures
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日本での休暇 1


 Jenny Welsch (ドイツ)

― ジェニーさん、いろいろ聞いてもいいですか。
ジェニー:うん。

― お仕事は宝石のデザイナーでいいですか。
ジェニー:主に宝石を直す仕事です。

― 修理(しゅうり)する仕事がメインですね。
ジェニー:はい。

― お父さんが宝石を作る人? じゃ、デザインもするの?
ジェニー:はい。お父さんも私もマイスターです。

― すごいですね。
ジェニー:お父さんはドイツのアーミーの指輪(ゆびわ)を作っています。

― 軍隊(ぐんたい)の指輪があるんですか。知らなかった。
ジェニー:うん。男の人の指輪は右にドイツの鳥、左に軍隊のエンブレム。

― ああ、鷲(わし)ですね。軍隊のエンブレムはみんな違うの?
ジェニー:うん。海の軍隊もありますし、陸の軍隊も、いろいろな軍隊があります。

― 指輪は結構大きいんですか。
ジェニー:宝石のルビーなどがついていますから。

― じゃ、後でインターネットで見てみるわ。お仕事忙しいでしょう。
ジェニー:でも8時間だけ。

― そうですか。どこで仕事は習ったんですか。
ジェニー:中学校を卒業してから宝石のことを勉強する学校に行きました。

― マイスターになるために?
ジェニー:それはその後です。仕事のための学校は普通3年です。でも宝石は3年半行きます。

― そこで宝石を削ったりするんですね。
ジェニー:それだけじゃなくてケミカルも習いました。

― 宝石はケミカルに関係があるんですか。
ジェニー:はい。例えば火で銀(ぎん)を溶(と)かして付けると色が変わります。銀を酸(さん)に入れるともう一度色が変わります。そのほかいろいろなケミカルを知らなければ仕事ができません。

― また銀の色になるの。それで化学の勉強が必要なんですね。
ジェニー:はい。

― ところで日本に来て宝石のデザインに役に立つことがありましたか。
ジェニー:新しいアイディアができます。

―宝石を見て?
ジェニー:宝石じゃない。京都ではたくさんの神社を見ました。屋根の形とか。説明が難しいですが。

― 建物がドイツとは全く違うから、いいんですね。
ジェニー:はい。

― 何回も日本来たそうですが初めて来たときはいつでしたか。
ジェニー:2002年でした。

― 何のために来ましたか。
ジェニー:その時は旅行でした。3週間ぐらいいました。

― 結構長かったですね。どんな所へ行きましたか。
ジェニー:その時はたくさんコンサートに行きました。日本にいろいろな小さなバンドがありますね。そのライブへ行きました。

― じゃ、毎日のようにコンサートに行ったんですか。
ジェニー:ええ、その時は。

― じゃ、コンサートのために日本に来ようと思ったんですか。
ジェニー:実は私は12歳ぐらいの時から日本に来たかったんです。私の一番大好きな先生が日本に旅行しました。帰ってから私たちにたくさんの写真とビデオを見せました。その時からいつか日本に行こうと思っていました。

― 初めて日本に来てどうでしたか。
ジェニー:その時はドイツ人の友だちと一緒でした。友だちは日本に来たことがありましたから、私は友だちについていきました。本当に怖かったです。

― 怖かったの? そうね。言葉ができなかったら怖いわよね。
ジェニー:全然できなかったから。読むこともできなかったし。自分一人でホテルを出るのがとても怖(こわ)かったからいつも友だちと一緒でした。

― それでほとんど東京にいたんですね。
ジェニー:はい、東京だけ。

― コンサート以外どこに行きましたか。
ジェニー:一日は浅草に行きました。楽しかったです。でもそこだけです。いつも友だちについていくだけでしたから。

― そうでしたか。次に来た時は?
ジェニー:2004年でした。ほかの友だちと来ました。

― どこへ行きましたか。
ジェニー:その時は色々なところに行きました。

― 京都(きょうと)とか奈良(なら)とか?
ジェニー:東京だけです。

― えっ。
ジェニー:その時は本当にホリディでした。映画を見たり、その時に『ロード・オブ・ザ・リング』も見ました。

― えっ、どうして? ドイツで見たらいいでしょう?
ジェニー:ドイツでも見ました。本当に好きでしたから。

― そう。そのほかに何をしましたか。
ジェニー:その時はいろいろなレストランに行きました。大戸屋(おおとや)とか吉野家(よしのや)とか松屋(まつや)……。

― 安い店ですね。
ジェニー:でもとてもおいしかった。

― そうですね。大戸屋もニューヨークでは高級な店らしいから。とても高いそうですよ。
ジェニー:そうですか。

― 毎日いろいろな物を食べに行くのが楽しかったの?
ジェニー:うん。

― 何を食べたの?
ジェニー:たくさんの物を食べました。ある日お昼ごろに行ってランチを食べてデザート食べてまたデザートを食べました。

― カフェかどこかでデザートを食べたんですか。
ジェニー:いいえ、同じところで。そして晩御飯(ばんごはん)もそこで食べました。

― えっ、同じところで?本当に……
ジェニー:うん。その時私のお母さんは「あなたたちバカだ」と言いました。

― 昼から夜までずっといて大丈夫だったんですね。
ジェニー:その店は新宿のイタリアンレストランのラポスタ……ラパウザでした。

― じゃ、お店の人と話をしたんですか。
ジェニー:いいえ、英語のメニューがありました。その時は日本語が全然わかりませんでした。

― 毎日、そのレストランに行ったんですか。
ジェニー:毎日ではなかったけどよく行きました。毎日散歩したり映画を見たりホリディでした。

― じゃ、新宿御苑(しんじゅくぎょえん)も行きましたか。
ジェニー:いいえ。それは何ですか。

― とても良い公園です。ぜひ行ってみてください。
ジェニー:じゃ、来年。

― 明治神宮(めいじじんぐう)は行きましたか。
ジェニー:行きました。公園で散歩しました。

― それが2回目の日本旅行ですか。
ジェニー:はい。

― ところで日本はドイツと何が違いますか。
ジェニー:東京はドイツの町と全然違う。

― 違うの?
ジェニー:ええ。実は私は日本の小さな家が好き。広い部屋はいい部屋じゃない。スペースがあり過ぎるのもよくないと思います。

― じゃ、マンションみたいな大きい建物はあまり好きじゃないの。この辺は小さい家がいっぱいありますが、東京でも中心に行ったらあまりないですが。
ジェニー:うん。ドイツではいつもみんな自分の家とアパートの中にいます。外に出ない人が多いです。家が大きいですから。私はそれはいいことじゃないと思います。

― 庭も広いしガーデニングしたりできるし。
ジェニー:ほかの人に会いません。それは良くないです。

― 家族しか会わないんですか。
ジェニー:うん。

― この辺は庭が狭いから、塀の外に花を植えたりしています。外でガーデニングしていますから、「おはようございます」とか自然にいろいろ話しますからね。じゃ、ドイツ人の生活と日本人の生活は全然違いますね。特に田舎(いなか)の生活は。
ジェニー:はい。

― ジェニーさんの村では隣りの家はとても遠いから本当に誰にも会わないんですね。
ジェニー:はい。朝ごはんのパンを買いたい時、車で隣の町に行きます。12キロです。

―自転車でも行けますね。
ジェニー:でも車が時速100キロぐらい出しているので危ないです。大きな町なら自転車の人が大勢いますが。例えばベルリンは自転車の人が大勢います。

―どうして?
ジェニー:車も多いですが、自転車の道もありますから安全です。

―東京に自転車が多くておどろきましたか。
ジェニー:少し。日本人は自転車に乗るのが上手だと思います。私は狭い道は降ります。怖いですから。

― でも足が着くから大丈夫よ。お年寄りが自転車に乗っていて驚いたでしょう。ドイツでは乗らないでしょう。
ジェニー:あまり乗らないです。でも体にいいと思います。

― そうですね。日本とドイツとほかにどんなところが違いますか。
ジェニー:電車ですね。日本で電車を使うのは普通ですが、ドイツはそんなに使いません。

― でも電車があるでしょう。
ジェニー:あるけど電車は本当に高い。私は学生の時バスで駅まで行ってそこから電車で他の町に行きました。12ユーロかかりました。

― 行くだけで?
ジェニー:ええ、帰りはお父さんが車で迎えに来てくれました。本当に高かった。

― 遠いからでしょう。
ジェニー:そんなに遠くない。車で25分ぐらいだから。

― それは高いですね。電車がそんなに高いとは思わなかったです。バスはどうですか。
ジェニー:私の町はバスはそんなに来ないから。朝はバスが2回来ますが夜は1回だけです。

― それは困りますね。
ジェニー:だからみんな18歳になると車を買います。私も自分の車を持っています。

― 日本人は最近車に興味(きょうみ)を持つ人が減(へ)ってきました。
ジェニー:そうですか。ドイツ人は車が好きです。私も好きです。私は4月から10月までスポーツカーに乗っています。秋になるとその車はタイヤが広いので木の葉が雨にぬれて滑(すべ)りますから危ないので乗れません。それでジープに乗ります。

― そうですか。


(2018年10月12日掲載)