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日本舞踊を披露する守下知子さん
アメリカ人の合理性
− 贈り物について
by 守下知子 (日本)

娘がアメリカのロサンゼルスに住むようになって 10 年になります。 19 歳で日本を離れ、今は中国生まれで香港育ちの方と結婚して、1歳になる男の子がいます。私は 1 年に 1 回、娘のところへ遊びに行きますが、アメリカ・中国・日本の良さを取り入れて生活している若夫婦をみて、いつも幸せを感じて帰ります。

今日はアメリカ(ロス)と日本の習慣の違いについて、贈り物に絞って書いてみます。
アメリカといっても広いですから、地域によって違うかもしれませんが、日本と比べて、ものごとを合理的にとらえているという印象が強いです。

贈り物は、クリスマス・お誕生日などに少し高価な物を贈ることはあるようですが、日本のお中元・お歳暮のような高価なギフト交換の習慣がありません。

また、日本では結婚祝いや出産祝いをいただくと、お返しをする習慣になっていますが、アメリカでは、贈り物をいただいたからといってすぐお返ししなくてもいいのです。次にその人の順番が回ってきたときに、ギフトを渡せばいいという考えです。

それでも贈り物をいただいたときは、“ Thank you カード” をすぐ書いて、感謝の気持ちを相手に伝えます。お店で売っているカードの種類も豊富で、“孫息子からおじいちゃんへ” などというバースデーカードなどもありました。

大事なプレゼントの包装は、安易にお店ではしないようです。日本でも今はそうなってきましたが、デパートなどにはラッピング専用カウンターがあって、別料金を払うときれいにラッピングしてくれます。そういう所を利用するか、あるいはもっと凝る場合は、個人で気に入ったペーパーやリボンを買ってきて、こってり包装します。

私が行ったベビーグッズのお店では、サービスでラッピングペーパーが用意してあり、自分で包装するようになっていました。

また、結婚祝い・出産祝いなどに、“レジストリー”というサービスがよく使われていました。これはとても合理的だと思いました。

まず新婚さんや妊婦さんが、デパートなどでお祝いにもらいたいと思う商品をいくつも選んでおきます。それから手紙(カード)や E メールなどを使って、「○○デパートでレジストリーしました」と友人・親戚などに知らせます。その知らせを受けた人は、そのお店に直接出向いたり、ウェブサイトを通して事前に選ばれた商品を知って、お祝いの品として購入できる仕組みなのです。こうすることによって、無駄な物のやり取りを少なくできます。

行くたびにアメリカの合理性を見せつけられる思いがするのですが、なかには当然首をかしげる例外もあります。

スーパーで物を買うと、袋に入れる係の人が、商品を買ったそばから袋に入れてくれます。人が足りないとレジの人が入れてくれます。

日本のように買った人が自分で入れるほうが、人手がかからなくて、ずっと合理的だと思うのですが、お店の人が入れてくれるのです。
(写真は、舞台で日本舞踊を披露する筆者)