日本体験 外国体験 Experiences in different cultures
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ニュージーランドの子ども達


 Tomomi Steele (日本)

 


 私がニュージーランドの田舎町で日本語を教えることになったのは、約1年前のこと。ニュージーランドの小学生はどんな感じかしら? と思っていましたが、仕事を始めてみると、日本の小学生と何も変わらない、元気で愛嬌のある、とても可愛い子ども達でした。

 ニュージーランドでは、5歳から学校に通い始めます。プライマリースクール(日本でいう小学校)はYear 1〜Year 6、Year 7と8はインターミディエイト(年齢は違いますが日本でいう中学校)、そしてYear 9〜13からはハイスクール(高校)に通い始めます。学校から家まで距離が離れているので、保護者の方が車で送り迎えをします。また、スクールバスや自転車で登下校をする子もいます。学校に着けば、日本の小学生と同じように、校庭の遊具で友達と遊んだり、敷地の広いニュージーランド特有でしょうか、流行りのキックボードや車体の低い三輪車のようなもので遊んだります。

 私が登校すると、「先生、おはよう! 今日は日本語の授業がある日だ!」と喜んで声をかけてくれる子もいれば、恥ずかしそうに私を見てニコニコするだけの子もいます。

 私が教える学校は、Year 1〜8までの生徒がおり、2学年が1クラスにまとめられ、それぞれ20人前後で1クラスが編成されています。年齢に差があり学力に差が生じるため、担任の先生の他にサポートの先生がついています。


[ニュージーランド、ファカタネのワイラカ像]


 まず私が最初に驚いたことは、日本の学校のように全ての机が前を向いているのではなく、ちょうど班ごとに別れた時のように5〜6人ごとのグループごと生徒同士が向き合う形で机が置かれていたことです。また、授業は先生の前に集まり、全員が床に座ったスタイルで行われます。

 授業中、生徒達の目はキラキラと輝き、耳を研ぎ澄まして私の言ったことを一生懸命繰り返そうとしてくれます。『外国語は子どもの頃から学習させよ』とは良く言ったもので、子ども達の吸収力をみると、これは本当なのだなと身を持って感じます。日本語の練習をするときは、皆が積極的に参加をしてくれます。クラス皆の前で習いたての日本語を話すのは、少し恥ずかしそうですが、上手にできましたと褒められると、はにかみながら嬉しそうに笑顔を浮かべてくれます。

 この学校では、日本語のクラスは選択制ではなく、全員が受けなければいけないため、中には、日本語にあまり興味を示さない子もいますが、折り紙や日本の文化紹介・体験などには積極的に参加してくれます。

 以前、在オークランド総領事館の方が学校を訪問してくれた時に、子供達全員が浴衣または法被を着る日本文化の体験をしたのですが、女の子は浴衣を着た瞬間おしとやかになり、男の子は侍になったかのように刀を振り回す仕草をしていました。それを見て、国や文化が違っても日本の子供と同じだなと、とても愛らしく思いました。

 担任の先生達からは、日本の小学生に比べてお行儀が悪いでしょ? とよく謙遜まじりに言われますが、私はいつも「ニュージーランドの子供も日本の子供も同じですよ。それぞれ個性はありますが、元気で素直で愛らしい素敵な子供達ですよ。」と答えます。
(2017年3月22日掲載)