ある日本の親は子供に対して厳しいと思う。私は先週ホームステイに行ったが、ホストファミリーの家庭は子供が二人いて長女は12歳で次男は9歳だった。子供たちは少し恥ずかしがり屋に見えたが、まだ幼い子供なのにとても礼儀正しくきちんと私に挨拶してくれたし、親の言うことをいつもよく聞いて従っているようだった。

　子たちは歩いて20分かかる遠くの学校まで自分で行ったり決まった時間にお風呂に入ったり、外から帰ってきた時は必ず手洗いをしたりする。家庭でも家庭なりの規則があってそれをしっかり守るというのは親のしつけと大きく関係があるのではなかろうか。

　それに対し、私の国では多くのミャンマーの子供はたいてい親と一緒に学校へ行くのが普通で、決まった時間に決まったことをするというのはほとんどないと思われる。ただ子供の成績がいい限り、親にあくまでも（はい、親は子供の成績さえよければ、子供がどんな我がままを言っても100％子供を甘やかすということです。）甘やかされる子が多いようだ。それなので、ミャンマーの子供たちと比べて日本の子供たちの方が幼い時から自立できていることは電車の中で一人で登校している小学生を見かけることでよく分かるだろう。

　しかし、時々ある家庭では小さい子供に厳しすぎるように感じたことがある。例えば、私がホームステイした家族では次男に宿題がまだ終わらないから一人で留守番をさせようとしたり、出かける時も宿題が終わらないと一緒に連れて行っても他の家族全員はスーパーなどでいろいろ楽しんでいる間その子を一人でずっと車の中で宿題をやらせていたりした。

　ミャンマーの場合はと言うと子供を一人で残すのは大変危険なので、それを見てびっくりはしたが、実は日本の親もミャンマーの親のように何よりも子供がいい子に育ってほしいという子供に対する希望や望みは同じだそうだ。それより、たぶん日本の親の育て方の方がもっと子供にも自分の責任は自分でとってほしいという気持ちや価値観が伝わるかも知れない。

　私はただ一泊だけのホームステイを通して子育てについて深く色々考えてみるようになった。それに、私にとって日本家庭の普通の日常生活を実際に体験した上で日本文化と母国の文化における違いが明らかに見えるようになり、しかも、各国の文化とその価値観などがどこかで深くつながっていることが分かるようになった。そして、この一泊のホームステイから分かったある日本家庭の厳しい子育ては私個人の世界の各国の異文化に関してもっと興味深く発見してみたくなったきっかけとなった。
（2017年2月28日掲載）