日本体験 外国体験 Experiences in different cultures
space
| 161 ガータウィー アピチャート | 戻る back <<
 

ムンバイの皆さん、日本人の行儀を見習おう!


 ガータウィー アピチャート (タイ)

ランディカ・ジャヤミニ
ガータウィー アピチャートさん

 私にとって日本は独特な文化があり、とても魅力的な島国である。昔ながらの伝統的な文化をはじめ、食文化、伝統衣装、ポップカルチャー、生活文化などは外国から見ても、とても独特な文化だと思う。

 私は6年前に交換留学プログラムで一年間、大阪教育大学に留学した。その時、日本は初めての海外だし、初めての一人暮らしだし、精神的にとても複雑な状況だった。最初は、ホームシックになったこともあるが、時間が少し経っていくと、だんだん日本の生活になれて、とても楽しい毎日を過ごせた。

 日本での生活はいろいろなことを学ぶことができた。まず、電車の車内のマナーについて、乗客はみんなが静かに本や新聞を読んだり、電話はマナーモードで設定したりしてとても印象的だった。それから、エスカレータの使い方はとても独特な日本の生活文化で、関東地方と関西地方の使い方が違って、最初は驚いたが、それは異文化で面白いと思った。

 今までの異文化体験でタイと一番違うと思ったのは「裸の付き合い」である。「裸の付き合い」は温泉に入ることを意味している。私は、留学した時に、地方見学で初めて、大分県の別府温泉に行ってきた。その時、各国の留学生同士と一緒に温泉に入ったが、やはり多くの留学生は私と同じように国では他人と一緒にお風呂に入る習慣がないと聞いた。当然、みんなが恥ずかしくて、温泉に入った時はみんなが黙った。温泉に入っている人数がどれくらい多くても雰囲気がかなり静かだった。

 初めて温泉に入る時はなかなか心の準備が必要だと思うが、何度も温泉に入ったら、だんだん慣れてきて温泉が好きになってきた。ストレスが溜まったときに、温泉に入ったら、リラックスできるのでストレス解消の一つの方法として効果的だと思う。

 大学生の時、日本語を勉強しながら、同時に日本文化も勉強した。特に温泉に入ることは日本人にとって「裸の付き合い」であり、「裸」は精神的な意味での裸であり、「裸のつきあい」とは互いのホンネをいいあえるような人間関係をいう。温泉の場を借りて、みんながよく「裸の付き合いをしよう」と言って、友達同士や親子で一緒に温泉に入る機会がある。お互いにリラックスした状態でお風呂に入ると、普段言えないことのような仕事の話や自分の悩みなどは自然と口にできることが少なくないものである。とても素晴しい一つの生活の文化だと思う。

 タイは暑い国なので日本のように他人と一緒に温泉に入る習慣がないが、文化というのは昔の人から教えられてきたものなので、国は違って、異文化と言ってもそれぞれの良さがある。違いを学んで異文化を理解していくのが必要だと思う。私は最初に温泉に入った時にとても緊張したが、今は異文化を理解した上で何度も温泉に入っても平気で温泉を楽しむことができるようになった。
(2016年10月26日掲載)