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ムンバイの皆さん、日本人の行儀を見習おう!


 パンディット サンパダ サティーシュ (インド)

ランディカ・ジャヤミニ
パンディット サンパダ サティーシュさん

 日本語を勉強して以来日本へ行くのは私の夢だった。その夢が2011年7月に叶えられて私は10日間の交流会に参加することができた。しかし私はその際まだ学習者だったし時間も限られていたのであまり経験ができなかったと思う。今度は教師として6か月も日本で研修を受ける予定なので「豊かな体験ができますように」と祈っている。その祈りのおかげか、私はこの1か月間にわたって素晴らしい出来事が体験できた。

 一番感動したのは日本人が規則をきちんと守ることだ。悪習に染まるのは簡単だが良俗を身につけるのは非常に難しいと思う。自分の国では規則を守る方がいないわけではないが、ほとんどの日本人が規則を守ることの大切さが分かっていて、まるでそれを受け継いでいるかのような感じがする。

 私の住んでいる町、「ムンバイ」の電車はラッシュアワーが辛いとよく言われている。郊外から都心まで行く電車はラッシュアワーに乗客率が300%を超えている。どうしても座りたい人は遠くても始発の駅まで行ってそこで電車に乗る。電車にはよく立つことさえできない場合が多い。電車のドアが開けっ放しだ。ほとんどの人がドアのところにぶら下がっている。それで事故も多くある。ドアのところに立っている人たちは自分の降りたい駅について周りの人に伝えておく。それはなぜかというと何も言わずにそこに立っていると後ろから来る降りたい人に押されて違う駅で降りてしまう場合もあるからだ。逆に当日のラッシュによって前もってドアのところまで行かなければ目的地で降りられない。

 要するにムンバイの電車に乗るのは一番難しいタスクで仕方がないと私はずっと思っていたが、この1か月間何回も日本の電車に乗ってJRもラッシュアワーがあることに気がついた。ラッシュアワーがあっても乗客の態度が良ければ非常に便利になるのではないだろうか。さらにそれは巧みに事故を避けることになると思う。日本人はどんなに忙しくても電車が来る前にホームで行列を作って、まず人が降りるのを待つ。それから焦らないで一人ずつ電車に入る。乗れない人は次の電車を利用する。駅には左側通行あるいは右側通行と書いてある。エスカレーターにのぼる際にも、左の方に皆立っていて急いでいる人たちは右の方を歩く。これは理想的な態度で日本人のマナーの一つではないかと思う。

 自分の国では残念ながら天災や緊急時に緊張のあまり焦る人が多い。そのため混乱になって被害を受ける人もいるそうだ。日本人なら、こんな状態がいくら怖くても自分のことをあとまわしにして必ず協力してくれるので非常にいいと思う。国の文化は伝統的な文化と毎日観察できる日常的な文化の二つの側面から見ることができると思う。他人の日本人は何も言わずに日常的な行動で無意識に私たちにいろいろ教えてくれる。自分が他の人の迷惑にはならないように頑張って協力している日本人に感謝している。このようなマナーを身につけて国で実行することができれば何よりだと思う 。
(2016年9月30日掲載)