日本体験 外国体験 Experiences in different cultures
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日本の高齢者


 エー ピュー ニェイン (ミャンマー)

ランディカ・ジャヤミニ
エー ピュー ニェインさん

 私は日本に来て2ヶ月になり、私の国と違った日本の習慣、最新技術などを体験できた。日本人は礼儀正しくてよく時間を守り、どこでも列で待っていること、道のルールを守ることなどは私にとってあこがれとなった。道もきれいで花いっぱいになることにも驚いた。電車が時間正しくて交通も便利で本当に素晴らしいことだと思う。そのように日本についてあこがれること、驚いたことがたくさんあり、その中で一番気づいたことは日本人の高齢者たちである。どこへ行っても70歳以上の年取った人たちが一人で歩いているのや、買い物しているのを目にする。そのことに私は本当に驚いた。

 私の国ではそれぐらいの年なら一人で行けず、そんなにも元気に見えない。日本の道は安全で交通システムがよくて、だれにでも便利なのかもしれないと思う。その上、列車の中でも年取った人たちがグループで旅行する姿や道でジョキングしている姿を見て、本当に日本の高齢者が元気いっぱいだと思った。日本人はスポーツも好きで健康を大切にする気持ちがわかるようになった。

 しかし、ホームステイの時に67歳の夫婦の日常生活を体験することができて、日本の高齢者たちの生活は私が先に思ったいいことのみならず寂しいものであると感じられた。なぜかと言うと、家族の写真,むすこさん、むすめさんの写真、孫の写真をぼうっと眺めているおじさんの背中を見た時、胸が痛くなったからだ。私の国ならだいたいの高齢者は家族と一緒に住んで、孫と一緒に散歩したり、夜に家族みんなとテレビを見たり、むすこさん、むすめさんの一日の事を聞いたり、仕事について色々アドバイスをあげたりして過ごしている。日本ではむすこさんむすめさんは外国や都会で働いていることが多いから、家族は写真の中にだけいるのではないかと考えた。

 日本は親子関係に対して自立を大切にすることが分かったが、私の意見で言えばちょっと厳しすぎると思う。子供の時から自立するように育てたので、親が年取った時にも親の世話はあまり必要ではないと思われるかもしれない。それは日本と私の国との異文化による親子関係の違いかもしれないが、親は代わりのないもので、生きている時を大切にして一緒に幸せに過ごすべきだと思う。年取った人たちが道で一人で大きい荷物を持ってゆっくり歩いている姿やべンチに座って道を眺めている姿をみて悲しくなった。一生家族のため頑張って働いて、最後にもらったものはなんだろうか。離れた所で成功して新しい家族と楽しんでいるむすこさん、むすめさんの笑顔の写真が親たちの最後の幸せなのか。私はなんとなく胸が苦しくなった。
(2016年4月29日掲載)