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日本の結婚式


 ガヤトゥリ (インド)

ランディカ・ジャヤミニ
ガヤトゥリさん

 二週間前のある日のことだ。夕食の後、いつもと違って、4階のロビーで勉強していた。その時短期研修者の中国人に話しかけられて、中国とインドの文化について話し合った。社会、経済、結婚生活、文化、服装など様々な話題について喋った。大変面白くて、次の日もその次の日も国と国の異文化について考えていた。先週作文の授業で異文化についてレポートの宿題を貰って大変嬉しかった。それを契機として日本とインドの結婚式について調べようと思った。特に南インドのタミル人と日本人の結婚式を比較しながら異文化を探求することにした。最近友達になった50代の日本人にインタビューして理解した異文化について以下に述べたいと思う。

 タミル人の結婚式は普通は3日間から5日間かけて様々なイベントが行われるが、日本の場合は、非常に短いそうだ。最長で3時間で終わるそうだ。インドでは、先人の祈りや「花婿の誘い」や「ブランコゲーム」や「花嫁のお清め」や「本結婚式」や「約束」や「仲間作り」や「披露宴」や「花嫁の見送り」など行われるが、日本では「本結婚式」と「披露宴」だけを注目しているそうだ。

 インドの日常生活の中に宗教が入り込んでいるから、結婚式も宗教とつながりが強い。結婚式のイベントもそれぞれ宗教によって違う。一方、日本で宗教はそれほど関係ないそうだ。つまり、宗教を信じていない人も教会や神社で結婚するそうだ。例えば、教会の信者でも信者ではない人でも、教会で結婚式を挙げられるそうだ。教会か神社かを選ぶ理由は宗教ではなく、結婚式場や夫婦の都合に基づいて決められるそうだ。披露宴ができるパーティルームと教会が入っているホテルのほうが楽と思われる。そして景色のいい所か、海が見える場所が人気だそうだ。

 インドは結婚式に誘われる人が多い。結婚式は自分のためだけではなく、社会的に重要な出来事で、大勢の方に知らせて、身内や親戚や友人や会社の同僚などに祝福をもらい、結婚式を挙げる。逆に日本は、結婚式に参加する人は両家の身内だけだ。披露宴にも誘われるのは仲間のいい友人や同僚や家族に近い人だけだ。ここは、インドと日本は大変違うと思う。そして、インドは結婚式のお金を負担するのは花嫁の両親だ。花嫁が仕事する場合は花嫁も負担するが、両親のほうから出すのが普通で、ここも日本は少し違う。日本は、花嫁と花婿二人で半分ずつ負担するそうだ。両側の両親にお金を出してもらう場合も時々あるが、ほとんどの場合は花婿と花嫁が負担するそうだ。そして、結婚式より新婚旅行にお金をかけようと思う日本人が多いそうだ。最近、会費制の披露宴をする人もいるらしい。つまり、披露宴のお客さんのほうがお金を払う習慣がだんだん増えているらしい。この場合、教会や神社の神様の前ではなく、友達だけの前で結婚式を挙げるそうだ。

 昔の日本は、結婚式の前花婿の家族は花嫁の家に行って「結納」をあげていたそうだ。婚約のようなその行為は、両家の両親と本人達が花嫁さんの家に挨拶に行き、儀式を行って、男性側から女性側に捧げものをあげる習慣だ。今の日本は、この習慣はなくなったそうだ。しかし、インドでは同じような習慣が今も行われているし、婚約を花婿側が担当する。

 結婚式の服装はインドは「サリー」で、結婚式の一日で何回も着替える。日本は着物やウエディングドレスが習慣になっている。最近流行っているのは白着物だそうだ。花婿は黒くておしゃれな着物が伝統的だそうだ。男性の場合は着物ではなくスーツのほうを選ぶ方が多いそうだ。以下、日本人の友人の結婚式の服装である。インドは、何度も着替えることが決まっているが、日本はお色直しは自由だそうだ。夫婦の都合によって着替える場合も着替えない場合もあるそうだ。


結婚式1
結婚式2

 インドの結婚の夜は飲み会はほとんどの場合はないが、日本の結婚式では親しい友人だけで二次会や三次会の飲み会をやったり、踊ったり、歌ったり夜中まで楽しむそうだ。そして、インドは、結婚をお祝うため、家族や親戚や結婚式に誘われた人がお金やプレセントをあげる。日本も同じように、お金をあげるそうだ。プレセントは、親しい友人何人かでほしいものをプレセントとして買ってあげる場合もあるが、それは結婚式の当日ではなく、その前になるそうだ。結婚式の当日にあげられるのはお金だけだそうだ。

 インドでは花婿は「ターリ」といわれるウコンの粉の付いた糸や金の鎖を花嫁の首に結び、花嫁を守る約束をするその瞬間二人は夫婦になる。結婚後、首につけたこの「ターリ」は結婚している状態を示す。そのため、結婚後、「ターリ」を外すのは禁じられている。日本の場合は、神社で神前式で結婚式を挙げるときは「三々九度」をして夫婦になるそうだ。つまり、神様に供えるお神酒で杯を交わす。そして指輪も交換する行為で夫婦になるそうだ。教会結婚の場合は神父さんに教えられて結婚の約束、指輪交換で夫婦になるそうだ。指輪は結婚していることを示しているそうだ。結婚の指輪は婚約の指輪と違ってもっとシンプルな形になるそうだ。昔々、女性は、歯を黒くぬって結婚している状態を示していたそうだ。今の日本では指輪だけ結婚の印になっている。

 インドはお見合い結婚率が高く、仲裁人や結婚紹介所がある。ネットでお見合い結婚を促進する結婚紹介社も増えている。昔の日本の場合、結婚はお見合い結婚で仲人さんはお見合いから結婚式まで全部やっていたそうだ。しかし、最近恋愛結婚率が高くなって、仲人は結婚式だけでたてるようになっている。

 昔は、インドで結婚の年齢は大体23歳(女)27歳(男)だったが、最近教育や研究や仕事を中心している若者が増えて、結婚の年齢が25歳以上(女)30歳以上(男)の傾向が見られている。日本も一緒で、最近結婚する年齢は30歳(女)と35歳になっているそうだ。あるテレビ番組によると結婚はめんどうなので結婚したくない若者の数がどんどん増加しているそうだ。そして、男性の経済力がないと言う理由で結婚したくない女性も増えているそうだ。

 上記に述べたように、結婚式の習慣は、インドと日本とで似ているところと違うところがあるが、インタビューで貰った情報をまとめるにあたり、とても印象に残ったのは、昔は日本の結婚式は伝統的だったが、現代は夫婦の都合に合わせてあげるようになっていることだ。そして結婚式より生活や新婚旅行にお金をかけて、身内や仲間のいい友人だけを誘って披露宴をするのも特徴だとおもう。インドと比べると、日本は結婚年齢は遅くて30代後半になっている。そして、結婚に興味のない若者の数が増加しているそうだ。「男性には経済力がない」や「自由に生活したい」や「家族や子供の面倒は嫌い」などがこの傾向の原因になる。このインタビューとレポートの経験は日本の結婚式について知る機会で、いい勉強になったが、日本の将来も気になる。結婚に興味ない傾向が続けると、20年後は、日本では若者の人口は大変少なくなって次世代を作れなくなるのではないだろうか。
(2014年7月21日掲載)