−Khin Lai Suさんはミャンマーからいらっしゃったんですね。ミャンマーは随分変わりましたか。もう政治の話をしても大丈夫になりましたか。
Khin Lai Su:前は難しかったですが、今は大丈夫です。スーチンさんの写真を飾ったり、彼女と同じ服を着ても大丈夫です。
−彼女の写真のステッカーが貼ってあるタクシーもあるそうですね。
Khin Lai Su:そうです。それは彼女を支持していることを示しています。今は本当に自由になりました。前は「スーチン」という名前さえ言うことができませんでした。今は変わりました。
−よかったですね。ミャンマーにはいろいろな民族が住んでいると聞きましたが。
Khin Lai Su:8つの民族があります。民族によって肌の色も姿形も違います。北に住んでいるシャンシュウ族は色も白いし、食べ物も日本人に似ています。民族によって好きな食べ物も寺院などの建物の形も違います。それぞれが自分の民族の寺院をとても誇りにしています。昔は同じ民族同士でしか結婚しませんでしたが、今は他の民族と結婚する人もいます。
【写真は、入学式で挨拶するKhin Lai Suさん(左から3人目)。禁無断転載】
−国際結婚はどうですか。
Khin Lai Su:国際結婚する人は少ないです。東京のように外国人がたくさんいないですから。
−これから外国人が増えてきますよ。とこらで日本の印象はどうですか。
Khin Lai Su:道を歩いていてとても気持ちがいいです。風も涼しいですから。
−それは今、秋だからですよ。東京の夏は蒸し暑くて大変ですよ。
Khin Lai Su:そうですか。車が綺麗ですね。ミャンマーの車はとても古いです。最近は輸入されていますから、綺麗な車も走っていますが。
−まだミャンマーでは車を作っていないんですね。
Khin Lai Su:ええ、日本の会社が学校をつくるそうですが、まだです。
−ミャンマーにも新しい知識が必要ですからね。
Khin Lai Su:そうです。でも古い車が多いですから、修理はとても上手ですよ。
−それはいいですね。主な交通手段は何ですか。
Khin Lai Su:ミャンマーでは普通バスを使います。料金は50チャットとか100チャットです。日本のように乗るところと下りるところが分かれていません。乗るときに並んだりしませんが、押したりしません。
−お年寄りに席を譲りますか。
Khin Lai Su:勿論ですよ。
−いいですね。日本は段々譲らなくなってきました。ミャンマー人は親切ですね。
Khin Lai Su:そうそう値段が高いバスも走っています。200チャットでスペシャルバスと言います。それはみんなが座れるしテレビも付いています。
−どこに行くバスですか。
Khin Lai Su:普通のバスと同じように町の中を走っています。同じルートを安いバスとスペシャルバスが走っているんです。普通のバスはとても込んでいるのでスペシャルバスに乗る人も多いです。私もよく乗りました。30分ぐらい乗るんならスペシャルバスがいいです。
−ところでKhin Lai SuさんはもうN1 の試験に合格しているのに、どうして日本に来ようと思ったんですか。
Khin Lai Su:実は大学を卒業して初めは英語を勉強しました。そして留学しようと思ってシンガポールに行きました。でも想像と違ってあまり気に入りませんでした。それでまたミャンマーに帰って他の国に留学しようと思いました。そのときに家にあった日本の鎌倉の写真、それは仏陀の写真でしたがそれを見て、日本はどうかなと思いました。おじさんが日本で7年間ぐらい働いていたことがあって、帰国してから私たちに簡単な日本語を教えてくれました。「わたし」とか挨拶とかですが。今思えばそのときから日本に興味があったんだと思います。
−それで日本語学校に通ったんですか。
Khin Lai Su:ええ、2008年の12月から日本語学校で勉強しました。
−先生は日本人でしたか。
Khin Lai Su:ミャンマー人の先生もいましたが、私は日本人の先生を選びました。
−自分で選べるんですね。どうしてその先生にしましたか。
Khin Lai Su:先生の名前が綺麗だと思ったからです。先生は今、日本に帰っていますから、こちらで会いました。いい先生でしたから、会えてうれしかったです。
−クラスはどうでしたか。
Khin Lai Su:だいたい20人から30人ぐらいですね。たまに50人もいる特別な授業もありました。みんな一生懸命勉強していましたし、日本に留学したがっている人も大勢いました。
−授業はどのように進みましたか。
Khin Lai Su:毎日2時間ぐらい勉強しました。初級は「基礎1」「基礎U」を使いましたが、だいたい3ヶ月ぐらいで1冊終わります。
−かなり早いですね。大変だったでしょう。
Khin Lai Su:その時は働いていなかったので、家で勉強できましたから、大丈夫でした。そして段々日本語が好きになって日本に行きたいという気持ちが強くなりました。それで留学したんです。
−そうですか。英語も日本語も両方できたら仕事がたくさんありますしね。
Khin Lai Su:ええ、でも日本語を勉強したので今では英語の方を忘れてしまいました。
−そうですか。ところで日本語学校を卒業したらどうしますか。
Khin Lai Su:大学院で観光についてもっと勉強したいです。
−頑張ってください。
(2012年11月11日掲載)