日本体験 外国体験 Experiences in different cultures
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最近、日本は元気がないよ


  王瑞銘 (台湾)

真帆(妻):初めて日本に来たのはいつ?
(夫):12年前に社員旅行で。行った場所は京阪神。

真帆:その頃の日本の印象は何か思い出せる?
:お店の人に英語で話しかけたら、みんなに逃げられた、どこでも逃げられたという記憶がある。だから日本語ができないなら、日本では不便と感じた。
あとは、そのときは5月か6月だったけど、日本は台湾より涼しいと思ったら意外に暑かった。あとは……日本にいると心が静かに、ピースフルになった感じがした。

真帆:今まで日本のいろんなところに行ったけど、どこが一番楽しかった?
:うーん、やっぱり京都かな。京都は文化とか特別な存在。とにかく私は関西の方が関東より好き。東京と大阪、どちらに行きたいかと聞かれたらすぐに大阪って答える。関西の人の方が温かいというか、生き生きしている感じがする。

真帆:じゃあ、結婚してから何か日本について感じたことはある?
:日本の人、もしかしたら真帆の両親以外はそうではないかもしれないけど、日本人はいろんなことへの理解と許容の範囲が広い感じがした。他の国と自分の国が「違う」ということが理解できる。それと日本人はプライバシーを尊重していると思う。

真帆:他には?
:あとは、日本語は日本の文化や人を知る入り口だと思った。日本語ができれば自然といろんなことに触れることができるし、日本人との距離が縮まる。台湾人はどちらかと言うと、言葉に関係なく外国人との距離が近い。

真帆:確かにそれは言えると思う。台湾人は相手が誰でも親切で積極的だよね。
:それと……最近の日本は以前より元気がない。人の顔つきを見てると表情が少し暗い感じがする。日本人との仕事でも、日本人は「change」することがうらやましいと思っているけど、実際に「change」しようとしない。いっぱいいっぱい検討をしても実際アクションする人は少ない印象がある。以前の人は積極的な人も多かったけど、最近はそういう人はあまりいなくなったと思う。草食系だっけ? そういう人が多くて、少し日本の将来が心配。日本の人口は1億人以上、人口が多い割にやる気のある人が少ないような感じがする。
あとは、日本人はがんばりすぎ、我慢しすぎだと思う。嫌なことは嫌、好きなら好きとはっきり言ってくれればいいのにって時々思う。

真帆:それが日本人といえばそうなんだけど、確かに外国人にとっては日本人のはっきり言わない態度はわかりにくいよね。そういうところ、私はだいぶ台湾人化してきたかな(笑)。
(王瑞銘さんに妻の真帆さんがインタビューしました)
(2012年7月28日掲載)