ネットつながり
− 連載エッセー「徒然の森」第65回

by 北嶋 千鶴子

 5月のエッセーが遅くなってしまった。心配した読者からメールをいただいた。ありがたいことだ。これもホームページを開いているおかげである。

 また思いもかけないところで人とのつながりができることもある。
  私の「読解問題55」シリーズが中国で出版されたのも、ホームページを読んだ中国系日本人のかたからメールをいただいたのがきっかけだった。彼や彼の奥さんお嬢さんとも知り合いになれた。

 先日はホームページの異文化体験記を読まれた大学の先生から、記事を書いた学生に自分のメールアドレスを伝えてほしいとのメールをいただいた。帰国後連絡が途絶えていた先生たちと再び連絡が取れて学生も大変喜んでいた。私も役に立ててうれしかった。

 ホームページとは別だが、メールのおかげで人との付き合いが長続きするのではないかと感じている。私は日本語学校やプライベートで多くの学生を教えてきたが、まだメールという便利な物がなかった時期の学生たちとはいつの間に関係が切れてしまうことが多かった。しかし最近の学生たちとはよく連絡しあっている。手紙のやりとりは時間もかかるし、国際電話は高すぎる。その点メールは大変便利だ。お金もほとんどかからないし直ぐに返事をもらうこともできる。遠く離れていてもすぐ相手を身近に感じられる。

 インターネットでは先日小学時代の懐かしい名前を検索にかけてみた。すると何十年も消息を知らなかった友達がホームページを開いていた。子供の頃の希望通りの仕事をしていることもわかった。まだ近いうちに連絡してみようと思う。新しい楽しみができた。
(June 7, 2008)