身辺整理
− 連載エッセー「徒然の森」第37回
by 北嶋 千鶴子

11月の花 友人の一人がいつ死んでもいいように、写真や手紙を整理したと言った。彼女は旅行に行ってもほとんど写真を撮らない。そういえばお姑さんが亡くなって、写真の処理に困ったと言っていた友人もいる。結局、ご主人が捨ててしまえと言ったので捨てたのだが、本当に困ったという。

 私には息子が3人いるのだが、子どもが結婚するときにアルバムを持たせようと、あるとき整理を始めた。しかし長男が結婚して孫が3歳になろうとするのに、まだ彼の分さえ終わっていない。長年家族の写真を放っておいたので、ごちゃごちゃになってしまっているのだ。

 私自身の子どもの時からの写真もたくさんある。こちらは結婚するまではアルバムに貼ってあるが、何冊もあるアルバムも何とかしなければならない。夫はもし私が先に死んだら棺に入れてくれると言ったが、ちょっと多すぎる。入りきらないと困るのでもっと減らさなければ・・・。60年の人生を早く1冊に収めたい。

 というわけで暇を見つけて自分の物も含めて整理を始めた。これが大変時間がかかる作業になった。思い切ってどんどん捨てなければならないのだが、写真を見るとつい思い出にふけってしまうので、遅々として進まない。まだ大学時代までしか終わっていない。これが今年の目標になりそうである。 (Januaryr 15, 2006)