桜の季節に花粉症
− 連載エッセー「徒然の森」第28回
by 北嶋 千鶴子

 人並みに花粉症に悩まされている。
  3年来の症状だが、今年は特に酷い。友人は「花粉症にかからない私は原始人のように思われているのよ」と慰めてくれたが、この鬱陶しい症状から抜け出せるのなら原始人でもいい。

 医者に行っても治らない。花粉症は軽く見られているが、本当に重い病気だと思う。一番困るのは仕事ができないことだ。鼻が詰まっているので口呼吸になり、喉がやられる。夜寝られないから一日中ぼーっとしている。やる気もでないので仕事が次々後回しになる。というわけでこの「にほんご通信」も遅れてしまいました。ご容赦を。

 また桜の季節がやってきた。日本人はどうしてこんなにも桜が気になるのか不思議に思うけれど、そういう私も毎年、桜を見にあちこちに出かける。種類もさまざまで見るのが楽しい。しだれ桜はあでやかで素晴らしい。庭桜もも可愛らしい。染井吉野の桜並木は圧巻だ。花のトンネルをくぐり抜け花吹雪を浴びる小さな幸せを味わっている。その後で咳が止まらなくなるのだけれど…。

(April 10, 2005)