子どもの日
連載「日本の行事12ヵ月」 −5月
by 北嶋 千鶴子

 5月5日は子どもの日です。国民の祝日となり、休日です。日本各地でいろいろな行事が行われます。端午の節句と言って、元々は古代中国が発祥の地です。男の子の健康や成長を祝う日でしたが、子どもの健康を祝う日として5月5日が選ばれました。そのため「兜」「武者人形」「鯉のぼり」など男の子にちなんだ物が飾られます。

 「鯉のぼり」は江戸時代から始まった風習で、庭に鯉ののぼりを立てます。この習慣は子どもが健康に育ち、将来は大きく出世して欲しいという気持を込めたものです。鯉は滝を登り切ると龍になるという中国の故事に由来しています。現在は広い庭も少なくなり、鯉のぼりを立てる家も少なくなりました。小さな紙の鯉のぼりを幼稚園や小学校で作って飾ることもあります。また、たくさんの鯉のぼりを集めて泳がせる場所もあります。1000匹以上の鯉が見られるのは壮観です。

 この日の食べ物として有名なのは柏餅(かしわもち)です。中にあんこを入れた餅を柏の葉で包んだ物です。柏の葉は、新しい葉が出てくるまで古い葉が落ちないので家系が絶えない、おめでたいと言って使われるようになったそうです。

 関西ではこの日、柏餅ではなく、ちまきを食べることが多いそうです。ちまきは餅を笹や竹の皮などで三角形に包んで蒸した物です。笹や竹には殺菌効果があります。ちまきを食べると邪気が払われると言われています。これは中国の故事から広まった習慣だそうです。

 菖蒲の葉は強い香りがあってこれが病気や悪いことを遠ざけてくれると考えて、菖蒲の葉を飾ったりお風呂に入れたりします。この日全国のお風呂屋さんでも菖蒲湯をするので普段と違ったお風呂を経験するのも楽しいです。

 「菖蒲」は、「勝負」や「尚武」と同じ発音なので江戸時代から男の子の誕生を祝って盛んに使われるようになったそうです。
  子どもたちに平和な世界を残してやりたいですね。
(5/01/2009)

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