ひな祭り
連載「日本の行事12ヵ月」 −3月
by 北嶋 千鶴子

 3月3日はひな祭りだ。旧暦の3月3日は現在の4月ごろなので桃の花の季節だ。そこで桃の節句とも呼ばれるようになった。この日は女の子の健やかな成長や幸福を願う日だ。男の子の成長を願うのは5月5日の端午の節句だったが、その日は現在は子供の日として子供全員の健康や成長を願う国民の祝日になっている。

 ひな祭りにはひな人形を飾る風習がある。元々は災いを人形に移して川に流すことで厄払いをしたことが始まりだそうだ。平安時代(794年〜1185年頃)にはひな遊びが行われていて、江戸時代(1603年〜1867年)にはひな遊びがひな祭りへと変わっていった。

 ひな人形は立春の頃から飾り始めることが多い。遅くとも3月3日の1週間前までには飾られることが多い。ひな祭りが終わると「早く片付けないとお嫁に行けなくなる」と言ってすぐにしまう人が多い。

 ひな人形は内裏びなを中心にして3人官女、5人囃子、右大臣左大臣などを段飾りにしたものから内裏びなだけのシンプルな物など様々な形式の人形がある。女の子がいる家庭で飾られているほか、日本各地で由緒あるひな人形や吊しびななど珍しいひな人形が披露されていて観光の目玉にもなっている。

 ひな祭りの食べ物としては用意されるひし餅やひなあられには白・緑・桃色の3色が使われている。白は雪。緑は木の芽。桃色は生命を表しているそうだ。春の訪れの喜びに満ちている。女の子たちを祝福するのに相応しい日だと言える。

 男雛と女雛を中心とするひな人形を飾り、桃の花を飾って、白酒を飲み、ちらし寿司などを食べる。最近では今風にケーキなども用意されることが多い。
(3/01/2009)

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