お正月
連載「日本の行事12ヵ月」 −1月
by 北嶋 千鶴子

 新年おめでとうございます。
  1月の行事といったらやはり「お正月」。三が日は普通、会社は休みだ。現在は1月1日(元旦)から開いている店が多いが、一昔前の元旦は店が閉まっていて、レストランでさえ探すのも難しかった。

 毎年初売りでは「福袋」を求めて新年早々長い行列ができる。福袋というのはデパートなどで販売される、複数の商品を組み合わせて袋詰めにしたもので、現在は「ラッキーバッグ」としてアメリカなどでも売られているそうだ。

 正月には「お屠蘇」を飲んで「雑煮」や「おせち料理」を食べる。「雑煮」は汁の中に餅を入れた料理だが、地方によって醤油味だったり味噌味だったり、餅も四角いもの、丸いもの、中にはあんこ入りの餅まで使われる。おせちは日本の伝統的な料理だ。「数の子・伊達巻き・昆布巻き・田作り・きんとん・黒豆・かまぼこ・煮しめなど」だ。それぞれに意味がある。例えば「数の子」は子孫が増えるように。「黒豆」は「まめ」つまり苦労を惜しまないという意味。その意味を想像するのも面白い。この「おせち」最近は自分で作らないでデパートなどで買って済ます人が増えている。

 食事の後は「お年玉」。子供たちが一番楽しみにしている最初のお小遣いだ。「お年玉」は小さな袋に入れて渡す。大勢の人にもらって何万円にもなる小学生もいる。そのため毎年お年玉の額が多すぎるのではないかという批判がある。

 初めて神社やお寺にお参りに行くことを「初詣」という。1月1日(元旦)の午前0時に初詣する人も大勢いる。この日は初詣に行く人のために一晩中電車が走っている。日本中の神社仏閣が賑わうのである。日本で一番初詣客が多いのは例年「明治神宮」で、2009年は319万人の人出だった。こんなに押し寄せると人で溢れ、鳥居から本殿までにたどり着くのにもかなり時間がかかる。しかしその人混みで待つのも気にせず、あるいはそれも楽しみにしてしまうのが日本人なのかもしれない。初詣は新年初の行列と言える。
(1/15/2009)

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